[糖尿病 運動] セーフティウォーキングのススメ
-第33回 膝痛を防ぐ歩き方-その2
O脚だと膝関節に4倍の負荷
前回、歩行時の膝関節には体重の3~5倍の負担がかかるとお伝えしました。歩いているときの膝関節は、脛骨というすねの骨の上に、大腿骨という太ももの骨がのって動いています。そのため、大腿骨から上の体重は、膝関節を介して脛骨に荷重されます。
図1は、左膝関節の骨格を正面から見たものです。左側はまっすぐの膝で、右側はO脚変形しています。まっすぐの膝は関節面の内側と外側の隙間が均等に開いています。この隙間には半月板と軟骨があります。ところが、変形してO脚になった膝は、内側の半月板と軟骨がすり減って、隙間がなくなり、逆に外側は大きく開いています。
この状態で上から体重を受けた場合、O脚膝には強い負担がかかることがおわかりいただけると思います。まっすぐの膝は、脛骨の関節面全体で均等に荷重を受けることができますが、O脚膝は外側が開いているため、内側だけで荷重を受けることになります。
片脚で立っているときの膝にかかる負担を調べた研究データによると、まっすぐの膝に比べて、O脚変形がひどくなると、膝関節にかかる力は約4倍。さらに歩行時には、その約3倍になるとされています(表1)。