[糖尿病 運動] セーフティウォーキングのススメ
-第35回 膝痛を防ぐ歩き方-その4
捻り歩きで、膝関節の内側や外側が痛くなる
前回は、「膝関節を捻じる歩き方は、半月板を傷めやすい」とお伝えしましたが、捻り歩きは、膝関節の内側や外側にある筋を過度に緊張させて痛みを起こす原因にもなります。
外股捻じれは、膝関節の内側が痛くなる
膝関節の内側には、複数の筋があって脛骨(すねの骨)に付着しています(図3)。外股捻じれで歩くと、一歩一歩、脛骨が矢印のように外旋するため、これらの筋は強く引っ張られて過度の緊張が加わり、その繰り返しによって炎症症状による痛みを起こします。
内股捻じれは、膝関節の外側が痛くなる
膝関節の外側にも筋があって、脛骨に付着しています(図4)。内股捻じれで歩くと、脛骨が内旋するため、この筋が強く引っ張られて過度に緊張します。また、この筋は大腿骨下端の隆起しているところを通っているので、筋と骨が擦れて炎症症状を起こすことになります。
このような痛みを起こさないためにも、膝とつま先は同じ方向に向けて、関節を捻じらないで歩きましょう。
著者プロフィール:土井 龍雄(健康運動指導士/アスレチックトレーナー)
1975年大阪教育大学卒業。1975年より岸和田市立福祉総合センター、1980年よりダイナミックスポーツ医学研究所にてトレーナーとして勤務。2014年同顧問に就任。年間およそ2,000名にセーフティウォーキングを指導。
著書は「歩行寿命が延びる!セーフティウォーキング ― 脱・ロコモティブシンドローム ―」(三省堂)、「歩く人。長生きするには理由がある」(三省堂)。
東日本大震災で仮設住宅の高齢者が抱えるロコモへの対策をきっかけに開始した「歩く人。」プロジェクトに参画。この事業は2017年度(平成29年度)運動器の10年・日本賞を受賞。