[糖尿病 運動] セーフティウォーキングのススメ
-第47回 水中歩行-その1
水中歩行の効果
アルキメデスの原理によると、物体が水中に没しているとき、その体積と同量の水の重さが浮力として生じます。
私たちは、1973年から、この原理を利用して水中での運動療法を行ってきました。写真は、腰痛患者さんに水中歩行をしてもらっているところです。
陸上では体重が足腰に加わりますが、水中では浮力により体重が軽減されるので、足腰への負担が和らいだ状態で運動できます。
どんどん動けるので、動くことによって体液循環が活発になり、筋活動による体温上昇とエネルギー消費が促進されます。また、水深が深いところほど水圧がかかるので血液が還流されやすく、下肢の血液滞留が改善されます。そして、荷重軽減によって抗重力筋が楽になるので、リラクゼーション効果も生じます。このような効果が認知されて、1990年頃から全国で水中歩行が行われるようになりました。
水中歩行は、足腰に優しく、転倒骨折の心配がない安全な運動です。筋力不足や肥満、腰痛、関節痛などにより陸上歩行に不安をお持ちの方にはとくに適しています。今回から、水中歩行の方法と注意点について解説しますので、プールへ出かけて実践してみましょう。