糖尿病教育入院・体験記
-第5回 合併症を学ぶ
合併症の進行に早く気がつくため、日頃のケアが大切
本日の講義は、薬剤師による「糖尿病薬について」、看護師による「フットケア・口腔ケアについて」だった。
「糖尿病薬について」は自分自身が薬剤師でもあり、普段扱っていない医薬品に関する情報や最新の情報も入手できるかと思うと楽しみしていた(予想通り非常に勉強になった)。
一方、午後に予定されていた「フットケア・口腔ケアについて」は、糖尿病とどういう関係があるのかまったくピンときていなかった。講義を受けて目からうろこが落ちるようだった。
まず、フットケア。糖尿病が長期にわたって続き、糖尿病神経障害になると最初は手足のしびれや違和感があり、やがて血流障害、それから細菌への抵抗力が低下していく。そうなると、普通ならなんでもないようなちょっとした傷がきっかけで潰瘍や壊疽(えそ)になり、切断するほどの深刻な状況へと進行していくという。
マッサージで血行を促したり、足の変化に注意を払ったりすることで、そういったことを未然に防ぐことができる。普段からフットケアをすることが、どれだけ大切なのかよくわかった。
そして口腔ケア。歯周病は糖尿病の6番目の合併症だという。歯周病が糖尿病を悪化させる原因のひとつでもあり、逆に糖尿病であることが歯周病を悪化させる要因でもあるという。糖尿病神経障害で、細菌への抵抗力が弱まるということを教わったが、歯周病菌に対しての抵抗力も同様に弱まっているのだから納得だ。
講義で改めて糖尿病の合併症の怖さを認識することで、運動に取り組むにも力が入った。それに職員健診から約1ヵ月で、驚異的な数値の改善が見られ、昨日は担当医から「今後の治療方針は、食事療法と運動療法だけでいけるかも」とほのめかされ、俄然やる気が出てきたというのもある。
今日の運動はエアロバイクも組み合わせ、昨日に続き積極的に散歩をした結果、万歩計ももう少しで18,000歩を記録。
その甲斐あってか空腹時血糖は遂に100を切った。二桁ゾーンに突入だ(パチパチ)。
また、夕食後の尿糖検査でも(-)を記録するなど、自覚症状に変化はないものの、確実に改善に向かって突き進んでいる感があり、まだ3日目であるが、教育入院して本当に良かったと思い始めていた。
(第6回へつづく)